第7話
まゆり「萌郁さんは怒って帰っちゃったので、代わりにるかくんを呼びました♪」
るか 「こんにちは」
至 「はぁ……うっ」
紅莉栖「橋田……いつまで体をビクビクさせてるのよ。気持ち悪い」
至 「ちょっと、さっきのアレ、クセになりそうっつーか。あ、僕に構わず話を進めて」
るか 「まゆりちゃんから事情は聞きました。岡……凶真さん、普通にお誕生日会をやるのでは、ダメなんでしょうか?」
倫太郎「俺はやらないと言ったのだがな。まゆりがどうしてもやりたいとしつこいのだ」
まゆり「こんなオカリンを説得できるような、いつもとは違う素敵なアイデアはないかなあって思って。どうかな、るかくん」
るか 「そうですね……。では、うちの神社でパーティーを開くのはどうでしょうか?」
至 「みこみこパーティーですね分かります!」
紅莉栖「橋田が言うとことごとくHENTAIっぽく聞こえるわね」
至 「勝手にHENTAIと思い込む牧瀬氏こそ真のHENTAIなんじゃね?」
紅莉栖「はあ!?」
倫太郎「二人とも。下世話なHENTAIトークは控えろ。神職の前だぞ」
紅莉栖「わ、私はHENTAIトークなんてしてないっ」
るか 「あの、ボク、神職ではなくて、ただの、学生ですけど……」
まゆり「でも、いいねえ、神社でお誕生日パーティー♪」
倫太郎「柳林神社で……か。秋葉原の防人、清心斬魔流継承者である漆原の一族が、この俺を招き入れるとはな。それがルカ子、お前の覚悟か」
るか 「え、あの……え?」
倫太郎「……俺だ。ああ、聞いた通りだ。……フッ、やはりそう思うか。この話、なにか裏があると見た方がよさそうだ。……いや、清心斬魔流には利用価値がある。ここで消えてもらっては困るが。……分かっているさ、今の俺は表立っては動けない状況だからな。いや……多少の血が流れても、最悪の状況だけは回避するさ。それが運命石の扉の選択だ。エル・プサイ・コングルゥ」
紅莉栖「いったい誰と戦ってるのよ?」
倫太郎「済まんなルカ子。俺は、一度決めたことを曲げることはできんのだ。お前の厚意はありがたいが、いかに柳林神社の招きとはいえ、誕生日パーティーを開くことはできん」
まゆり「ええ~、やろうよ、神社でお誕生日パーティー。みんなで和装とかしたら楽しそうだよ~。ね、るかくん」
るか 「はい。御神酒の用意ぐらいでしたらできますし」
まゆり「わあ、素敵。じゃあ、オカリンとるかくんで三三九度、飲み交わそう♪」
るか 「え、えええっ、そ、そんな、ダメだよっ!」
紅莉栖「それって、お酒だから未成年が飲むのはダメってこと? でも儀式的なものなんだから例外でしょう?」
るか 「そ、そうじゃなくてですね……。そもそもそれは、お誕生日会ではなくなってしまうといいますか……」
まゆり「あ、るかくん、赤くなってる~♪ かわい~♪ でも女子は、そういうの嫌いな人はいないんだよ~」
紅莉栖「……いったいなんの話? 三三九度って、なんなの?」
至 「牧瀬氏、知らんの? 海外暮らしだったせいか~」
倫太郎「フッ、さすが実験にしか興味がない実験大好きっ娘! 世間の一般常識にはとことん無知と見える」
紅莉栖「あんたにだけは言われたくないけどね」
倫太郎「ルカ子! この世間知らずな助手に教えてやれ!」
るか 「ボ、ボクが、ですか……? うう、恥ずかしい……」
至 「…………いい」
倫太郎「……だが男だ」
まゆり「オカリンとダルくんまで赤くなってるね~。えっへへ~☆」
紅莉栖「三三九度って、そんなに恥ずかしがるようなものなの? 漆原さん、教えて」
るか 「……が……ちぎ…………です」
紅莉栖「え?」
るか 「し、新郎新婦が、契りを結ぶための、儀式です……っ」
紅莉栖「あ、えっ……なんか、ごめん」
るか 「うぅ……っ」