第1話
倫太郎「フゥーハハハ! ラボメン諸君、集まったようだな! ではこれより、第368回円卓会議を行う!」
紅莉栖「なによ、急にメールで呼び出したのは、雑談するためだったの? こっちは暇じゃないんだけど」
至 「とかなんとか言いつつほいほいラボまで来ちゃうツンデレ乙」
紅莉栖「はあ!?」
まゆり「ねえねえ、集まったって言っても、オカリンを入れて4人しかいないよ? 萌郁さんもるかくんもフェリスちゃんもスズさんもまだ……」
倫太郎「構わん。事態は緊急を要する」
紅莉栖「またブラウン管工房の店長さんにここの家賃を上げられて、払えなくなったか」
倫太郎「違う! そんな矮小な話ではない!」
紅莉栖「じゃあなんなの?」
倫太郎「では議題を発表する。その議題とは――『世界を混沌にもたらすための計画にはなにが必要か』だ!」
至 「厨二病乙!」
紅莉栖「まゆり、一緒にサンポまで牛丼を食べに行かない?」
まゆり「え? え~っと」
倫太郎「聞け! 我ら未来ガジェット研究所は、世論への影響力をできるだけ高めていかねばならない。それにはどうすればいいか、お前たちの意見をくれ」
紅莉栖「それのどこが緊急なんだか」
まゆり「ねえねえ、それじゃあ、まゆしぃからもお話があるんだけど~」
倫太郎「いや、まゆり? それじゃあ、ではなくてだな。今は俺が大事な話をしている最中で――」
紅莉栖「岡部の具体性に欠ける雑談なんかより、まゆりの話を聞くべき」
倫太郎「おい助手、俺を差し置いて場を仕切るな――」
紅莉栖「まゆり、話して。どうしたの?」
まゆり「あのね、もうすぐオカリンの誕生日でしょ。今年はどうやって祝おうかなあって思って。みんなの意見を聞いてみたいのです☆」
倫太郎「へあ?」
紅莉栖「ふむん。そうらしいわね」
至 「そっか、12月か。何日だっけ?」
まゆり「えっとね~」
倫太郎「待てまゆり。それはトップシークレットだ。どこで機関のエージェントが聞いているか分からんからな。決して口にするなよ」
まゆり「12月14日だよ~」
倫太郎「…………」
まゆり「まゆしぃとしては、ラボメンみんなでお誕生日パーティーを開きたいなあ」
至 「女子多数に囲まれての誕生日パーティーとか、それなんてハーレム。羨ましすぎだろ常考」
まゆり「ダルくんの誕生日のときもみんなでやろうね~♪」
至 「まゆ氏マジ天使!」
倫太郎「……ふう、やれやれ。知られてしまったか。知られて……しまったのか」
紅莉栖「なんで2回言った?」
至 「大事なことだからじゃね?」
倫太郎「かくなる上は仕方ない。お前たちがどうしても俺の誕生日を祝いたいと言うのなら、……ま、まあ、なんだ、その、少しぐらい、考えてやって、やらんこともない」
紅莉栖「岡部、照れすぎ」
倫太郎「ラボメン諸君! ラボメンナンバー002、椎名まゆりの提案により、第385回円卓会議は急遽、この俺、鳳凰院凶真がこの世に生まれ落ちた日をどう祝うか、その内容を検討する会議に変更する。なお、誕生日当日の作戦名は――」
紅莉栖「作戦名とかどうでもいい。あと開催回数が最初言った数字と間違ってるわよ」
倫太郎「助手よ、そういう揚げ足取りは必要ない!」
紅莉栖「誰が助手よ!」
倫太郎「ではこれより、円卓会議を開始するッ!」